「何食べます?」
中村「にく、かな」
「生姜焼きとか作ろっかな」
中村「いいの?」
「ん? 何がですか?」
中村「二人きりとか・・」
「中村さんとは仲良しだと思ってたけど・・」
中村「あっ、そーなの?」
「違ったかな?」
中村「いや仲良しだよね、うん。 あー敬語とかいいから、うん」
「よかった~中村さん先輩だけど仲良くしてもらってるから、敬語とタメ口混ざっちゃうんだよね」
中村「うん、これを機に」
「あはは、これを機に」
中村「しかし、解決してよかったねストーカー事件」
「ストーカーねえ? 伊藤さんってホントに、ストーカーだったのかなー」
中村「え? そんな、明らかでしょ」
「ちょっと人と話すのが下手で、思い込みが激しいってだけで、ちゃんと話せばわかってくれたんじゃないかなーって」
中村「・・・それ、本気で言ってるの?」
「え? 」
中村「依子ちゃんさ、そーいう無自覚で天然なのも魅力の一つだとは思うけど、あれもそーなの? 伊藤ってヤツも、自分が何かしたせいで怒らせちゃったとか、思ってんの?」
「えっ、」
中村「思い込みが激しい、まさにそーだろうね。それでストーカーになるんだよ。話したらわかってくれる? 何言ってんだ、さっきあれだけしっかり自分で正論浴びせてそれでどーなった? アイツがわかってくれたか?」
「あ・・」
中村「正論言われて何も言えなくなって逃げ出したんだろ? ・・それにこの手、アイツに掴まれたとこ、こんなに赤くなってる・・・」
「中村さん・・」
中村「男が、本気出せばこんな・・依子ちゃんなんて簡単に・・」
「中村さん・・ありがとう、ございます」
中村「・・・・・」
「中村さん・・ごめんなさい。心配、かけて」
中村「いや・・いいんだよ、俺なんていくらでも、心配させてさ・・頼ってよ・・・・・」
「ありがとうございます。頼りにしてますよホントに」
中村「・・うん」
「すごく、怖かったです」
中村「依子ちゃん・・」
「来てくれて、ありがとう・・ございました・・・」
中村「うん・・」
「買い物、してこ?」
中村「うん、にくね」
「にく、ねっ」
(これで少しはわかってくれたかな・・)
(こんなちゃんと叱られたの、いつ以来だろ)
中村さん、感情たかぶってます。
それほど心配してくれたんだね。